せぼね診療イメージ

当クリニックの院長は長年せぼね診療を専門に行ってきました。
その経験を活かし、クリニックでも専門的なせぼね診療を行います。一般的な肩こりから腰痛、手足の痺れや痛み、また他院で手術後に残った痛みや痺れに対しても対応可能です。レントゲン、エコー、骨密度による精査は可能ですが、MRIは提携病院への依頼となります。他院で撮影されたCD-Rデータがありましたらご準備いただけるとスムーズな診療を受けることができます。

院長プロフィールはこちら

頚部疾患

肩こり

医療機関を受診する主訴として腰痛とともに多いのが肩こりです。デスクワークやスマホなど姿勢が悪い状態で長時間過ごすと生じやすくなります。頭と肩のポジションの変化による頚部から肩甲帯の筋緊張、また肩関節や肩甲骨の動きが悪くなったり、頚椎手術後に生じやすくなるなど原因は様々です。
日常生活の姿勢や動作時における癖の改善、姿勢指導、柔軟性の獲得、睡眠不足の解消など病態に応じた治療が必要です。慢性的な肩こりは投薬ではなかなか改善が難しく、ブロック注射やリハビリテーションを併用し治療していきます。

頚椎椎間板ヘルニア

首の骨と骨の間にあるクッションである椎間板が脊髄神経へ向かって突出し神経を圧排します。
椎間板が傷み脊髄神経が圧迫されることで頚部の痛みが生じます。肩甲骨周辺の傷みが伴うことが多いです。脊髄神経が圧迫を受けると、その神経の支配領域の上肢にも痛みや痺れが生じます。首を後方や側方へ傾けると痛みが増強し、腕に痛みや痺れが誘発や増強します。また、夜間に痛くて目が覚めることが多いです。
痛み止めの内服や注射などで対応します。通常であれば2-3週間で緩和し2-3ヶ月で症状はあまり感じにくくなります。

せぼね診療イメージ1

(日本整形外科学会HPより)

せぼね診療イメージ2

(日本整形外科学会HPより)

頚椎症性神経根症

首の骨と骨の間にあるクッションである椎間板が飛び出したり、加齢により生じる骨棘と呼ばれる変形した骨によって脊髄神経が圧迫されます。脊髄神経には脳から足の神経へと繋がる本幹と、手の方へ繋がる枝があります。頚椎症性神経根症では脊髄神経の枝に圧迫が生じることで上肢に限局した症状が出現します。
椎間板が傷み脊髄神経が圧迫されることで頚部の痛みが生じます。肩甲骨周辺の傷みが伴うことが多いです。脊髄神経が圧迫を受けると、その神経の支配領域にも痛みや痺れが生じます。首を後方や側方へ傾けると痛みが増強し、腕に痛みや痺れが誘発や増強します。また、夜間に痛くて目が覚めることが多いです。
痛み止めの内服や注射などで対応します。通常であれば2-3週間で緩和し2-3ヶ月で症状はあまり感じにくくなります。

せぼね診療イメージ3

(日本整形外科学会HPより)

頚椎症性脊髄症

加齢とともに生じる骨の変形や靭帯の肥厚、椎間板の膨隆により脊髄神経が圧迫されることで生じます。脊髄神経には脳から足の神経へと繋がる本幹と、手の方へ繋がる枝がありますが、頚椎症性脊髄症では脊髄神経の本幹に圧迫が生じることで脊髄の症状が発生します。
手足の痺れ、手の力が入りにくい、指が思うように曲げ伸ばししにくい、足が痺れる、歩くときに足が挙がりにくい。走ったり早く歩いたり、階段が降りにくくなるなどの症状がみられます。
症状と診察による神経所見の評価、画像評価によって治療方針を決定します。軽症の場合は、脊髄神経の血流改善薬などで治療します。手術を勧めることも多く、手術後はリハビリテーションが重要となります。

せぼね診療イメージ4

(日本整形外科学会HPより)

頚椎後縦靱帯骨化症

後縦靭帯は椎体の後面を走行しており、椎間板が後ろにずれていかないよう支える役目を担っています。頚椎後縦靭帯骨化症は、この部位が分厚くなって骨のように硬くなってしまう状態です。脊髄が圧迫されてくるので、以下のような症状が出現してきます。

  • 手足がビリビリ・ジンジンしびれる
  • 手足の感覚が鈍くなる
  • 手指の細かい運動がぎこちなくなる
  • お箸がうまく使えない
  • ボタンのかけ外しがうまくできない
  • 足が突っ張る
  • ちょっとした段差でもつまずくことがある
  • 階段の上り下りがこわい
  • うまく歩けない など

胸腰部疾患

腰痛症

あなたの腰痛の原因は?

① 時期による分類
急性(発症して14日以内)とそれ以外の亜急性・慢性(発症して14日以上経過)で考え方が異なります。
急性期と亜急性期・慢性期における治療の方法を注射、投薬、リハビリテーションの3つで考えた場合
  • 急性期は注射や投薬が中心
  • 亜急性・慢性期は投薬やリハビリテーション(セルフエクササイズ含む)が中心
で介入していきます。
腰痛の原因疾患によっては急性期で治療が奏功せず慢性期へ移行する場合があります。
② 腰痛を起こす疾患による分類
腰痛を起こす疾患には椎間板ヘルニアや骨折など様々な疾患があるため、どの疾患による腰痛なのかの判定を行うことが非常に重要です。診察室における身体所見やレントゲン画像の所見を参考に腰痛の原因疾患を判定しその疾患別に治療を行います。
治療によっても症状が改善しない場合は、MRI撮像までお願いすることがあります。様々な情報を元に原因を同定し診断を行い、その原因に対してアプローチしていくことが重要です。(レントゲン撮影だけで椎間板ヘルニアと診断されたという話をよく聞きますが、椎間板ヘルニアの存在を確認するにはMRI撮像が必須です。また本当に腰痛の原因が盛り上がった椎間板(椎間板ヘルニア)かどうかは診察しないと判定できません)

腰痛を起こす疾患について

筋膜性腰痛(姿勢性腰痛含む)

筋肉の緊張か強くなることで生じる腰痛です。多くは傍脊柱起立筋と呼ばれる背骨周囲の筋肉や臀部の筋肉から生じます。これらの中には背骨が曲がることによって生じる姿勢性腰痛も含まれます。
急性期の筋膜性腰痛で除痛の即効性を期待するならブロック注射が有効です。内服や電気療法も併用し筋緊張の緩和を目指します。
亜急性・慢性期の筋膜性腰痛では、これら治療が一時的な効果で終わることが多いです。日常動作における動きの癖や身体の特徴から生じることが多く、これらを改善させる必要があります。運動器リハビリといってセラピストによる筋弛緩や筋力増強トレーニング、ストレッチなどのエクササイズを行い、疼痛の緩和とその効果持続を目指します。

椎間関節性腰痛

腰椎は左右に椎間間関節という上下の椎体を連結する関節が存在します。痛みで動けなくなるほどのいわゆる「ぎっくり腰」の原因に多いとされています。患者さんは、腰が外れそうになり動けないとか刺されるような痛みが生じると訴えます。
これらは左右の多裂筋や脊柱起立筋といった背骨周囲の筋肉のバランス不良によって発生します。従って、筋肉のバランスを整える治療を行うことで症状が緩和します。
急性期の椎間関節性腰痛にはブロック注射や電気療法が威力を発揮します。
亜急性・慢性期の椎間関節性腰痛には、セラピストによる運動器リハビリを行い症状の軽減とその予防に努めていきます。

仙腸関節性腰痛

腰椎の下には仙椎と言われる腰椎と骨盤を連結する背骨があります。この仙椎と骨盤を連結する関節を仙腸関節と呼びます。体の中で最も強力な靭帯であり、仙腸関節は非常に安定した関節ですが、前屈動作で痛めることが多いです。
急性期の仙腸関節痛は、仙腸関節を安定させるためのコルセットの装着、また内服やブロック注射で症状の緩和に努めます。
亜急性・慢性期の仙腸関節痛は、上記治療だけでは効果は一時的となるため、セラピストによる運動器リハビリを行い症状の軽減とその予防に努めます。

椎間板性腰痛(椎間板ヘルニア含む)

背骨と背骨を連結するクッションの作用として存在する椎間板が原因で腰痛が生じます。
急性期の椎間板性腰痛には、ブロック注射と内服が最も効果的です。湿布や筋肉へのブロック注射、電気療法や温熱療法は全く効果がありません。
亜急性・慢性期の椎間板性腰痛には、痛みの原因となる椎間板を安定させる筋トレやその他の部位の可動性を向上させ、椎間板へ負担をかけないようにする運動器リハビリが重要となります。

椎体性腰痛(圧迫骨折含む)

椎体骨折によるものがほとんどです。骨折にはまずは安静が第一のためコルセットを作成し日常生活でも安静を心がけます。入院を勧めることも多いです。
骨折部が次第に安定するとともに痛みも緩和します。安静期間中に体幹や下肢の筋力低下が生じますので、疼痛が落ち着いた時点でリハビリによる筋力トレーニングを開始していきます。あまりにも痛みが強い場合は、骨折の形態がひどい場合は椎体形成術をいう骨折した椎体の中にセメントを充填する手術を行う場合もあります。除痛効果は素晴らしいです。

分離症性腰痛

腰椎に発生する疲労骨折であり、スポーツをする小学生以降に発生します。スポーツをしていてなかなか腰痛が改善しない場合は第一にその発生を考えます。適切な時期における適切な治療介入、その後のスポーツ復帰や再発予防など、大事な成長期の疲労骨折をきちんと治し再発を予防することは整形外科クリニックとしての大切な役割です。
当初はMRIやCTを用いて詳細な診断・評価を行い、コルセットによる患部安静、また体幹や四肢のストレッチング、体幹インナーマッスルエクササイズ、協調性運動の獲得など時間をかけて治療していく必要があります。

術後性腰痛

腰の手術後に続く腰痛のことを指します。手術によって下肢への坐骨神経痛や痺れは改善するも腰痛が残存し続くことがあります。筋膜性、椎間関節性、椎間板性の痛みのことが多いです。手術したところと異なる部位から生じる痛みのこともあります。
内服やブロック注射、運動器リハビリで症状が緩和していくことが多いです。場合によっては再手術を行うこともあります。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎の椎間板は、椎体の間にあり、背骨に加わる衝撃や体重を緩和するクッションの役目を担っています。この椎間板の一部にヘルニア(椎間板の盛り上がり)が起こって神経を圧迫すると、腰や殿部の痛み、下肢のしびれや痛みが強まり、足に力が入りにくくなります。通常は消炎鎮痛薬などの内服やブロック注射など併用し安静にしていれば症状は和らぎます。2−3ヶ月もすれば症状はあまり感じにくくなります。症状緩和後は、リハビリテーションによる柔軟性獲得や腰部に対する負担の軽減など生活動作指導も大切です。

せぼね診療イメージ5 せぼね診療イメージ6

腰部脊柱管狭窄症・腰椎変性すべり症

脊柱管狭窄症は、脊髄の神経が通るトンネルが狭くなっている状態です。中高齢者になると、変性した椎間板が盛り上がったり、脊柱管の後方にある黄色靱帯が厚くなったり、変性し変形した椎間関節によって脊柱管が狭くなり神経の圧迫や炎症が生じます。これにより腰痛や下肢の痺れ、痛みが発生します。典型的なものとしては、立位や歩行時間が長くなると下肢の痺れや痛みが増悪し、休憩すると改善する間欠性跛行と呼ばれる特徴的な症状が出現します。ひどい場合は膀胱障害(尿漏れや尿が出にくい)が発生します。
腰椎変性すべり症も、腰部脊柱管狭窄症と同じような症状が出ます。すべり症では腰椎が前後方向へすべってずれることによって脊柱管が狭くなり、馬尾神経や神経根が圧迫されることにより下肢痛やしびれ感が発症します。

せぼね診療イメージ7

椎間板ヘルニアに比べ中高年に発症することが多いです。また、腰を後ろに反らすと脊柱管がさらに狭くなり、前に曲げると脊柱管が広がります。脊柱管狭窄症に特徴的な間欠性跛行(かんけつせいはこう)は、杖をついたり、しゃがんだり、座ったりすると改善しますが、これらの前へ曲げる姿勢をとることで脊柱管が広がり症状が一時的ですが改善します。

  1. 間欠性跛行(かんけつせいはこう):起立や歩行で悪化する腰部・殿部・大腿部・下肢の不快感や疼痛により、100~200m歩くと、一休みしないと歩行ができなくなる状態をいいます。間欠性跛行には大きく神経性間欠性跛行と血管性間欠性跛行があります。血管性は下肢の動脈硬化による筋肉への血行障害です。腰部脊柱管狭窄症は神経性間欠性跛行が出現します。腰部脊柱管狭窄症では一般的に坐位や腰をかがめたりすると改善します。また日によって歩行距離が変わり、調子のいいときと悪いときがありますが、次第に歩行距離が短くなり、日常生活が困難になります。前傾姿勢になる自転車の走行は症状なく可能なことが多いです。
  2. 膀胱直腸障害:排尿遅延、頻尿、排尿困難など男性であれば前立腺肥大症、女性であれば老化による尿失禁とよく間違えられます。
    最終的には下肢の麻痺や尿閉となり歩行できなくなってしまします。
    脊髄神経の血流改善薬や神経症状を感じにくくさせる投薬治療を行います。効果が低い場合は、硬膜外神経ブロックや神経根ブロックと呼ばれる各種ブロック治療を行います。
    これらで症状が改善しない場合や、神経症状が悪化し筋力麻痺や膀胱障害などの出現がある場合は手術療法となります。
    いずれの場合も、脊柱管狭窄症の程度が軽い場合は、内服やブロック注射、リハビリテーションにより改善が期待できます。脊柱管狭窄の程度が酷いものほど改善しにくく、麻痺や膀胱障害といった脊髄神経障害の後遺症が残ることもあり、場合によっては適切なタイミングでの手術治療が必要となります。

側弯症

側弯症は、背骨が回旋変形することで弯曲した状態を指します。小児期に発症することが多く、左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭の変形、肋骨や腰部の隆起、などの変形を生じます。男女ともに起こりますが、特に女子に多くみられます。
年齢とともに椎間板の変性などで出現することもあり、身体の歪みや脊柱管狭窄症の症状を併発することもあります。

腰椎分離症

腰部を後方へ反る動作、回旋させる動作を繰り返し行うことで、腰椎の後方部分である椎弓と呼ばれる部位に疲労骨折が生じます。腰椎周囲の成長軟骨が成長していない小学生や中学生に発生するとすべり症へ進展することがあります。
野球であればバットをスィングした際、投球動作で腰を捻った際に腰痛が生じます。バレーボールではアタックを打つ際の腰を捻る動作で腰痛が生じます。
早期発見、早期治療が重要です。早期であればコルセットを3-4ヶ月装着し腰部の後方動作や回旋動作を抑制することで疲労骨折部の骨癒合を獲得できます。分離症が進行してしまった場合は、疲労骨折部の骨癒合を期待することは困難であり、骨の癒合に対する治療は行わず痛みを取り除く治療を主体に行います。いずれの場合も、腰部から下肢へのストレッチングや動作指導により、腰部への繰り返す負担をかけないようリハビリテーションを行うことも重要です。

せぼね診療イメージ9 せぼね診療イメージ10 せぼね診療イメージ11 せぼね診療イメージ12

脊椎椎体骨折(いわゆる圧迫骨折)

脆弱性仙骨骨折